2017/12/06

中学三年の
年末が近い
この時期。

みんなが受験で
とっちらかってたころ。

ぼくときたら、
教師にも、
親にも
友達にも
無口になったふりをして、
ひたすら
このアルバムに
夢中だったなぁ。

というか、
このアルバムの
素晴らしく
甘い音楽の世界の中に
どっぷりと
逃亡していたなぁ。

音楽って、
なんて
スリリングなんだろ。
なんて
いけない世界で、
なんて
かっちょ
いいんだろーって、ねぇ。

甘ーーくて
うっとりするような
快楽の世界。
ぼくだけは
それに
気づいてると思わせてくれちゃう、
そんな
いけない世界。

そして、
だから
聴きまくった。
そりゃ、
もう、ねぇ。

何時間も
何日も、
ずーっと聴いて、
どっぷり音に埋もれて、
現実から
逃避しまくったなぁ。

ククク。
おかげで
受験は
はっちゃめちゃだったけど。

でも、
こんな経験できたこと、
今のぼくにゃ、
宝物のような
思い出だよなぁ。

だから
ぼくには
ただ、
ありがとう、
な、
そんな
思い出のアルバムが
スピード・オブ・サウンドなわけで。

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あれから40年。

こんなおっさんになった今、
あの頃と同じ
12月の寒ーーい夜、
そーっと
このレコードに
針を落としてみたりして。

そしたら
ほれ、
サウンドは
ちっとも、
まったく、
いろあせてなんか
いないじゃんね。

音楽って、
思い出って、
いけないくらい、
素晴らしい、や
と、
感じる
55歳の冬の始まりの
夜でございやした・・・。