さて、
このレコード。

38年前、
渋谷の芽瑠璃堂にて
ご購入。

ぼくの大好きな
ソウルメン達による
クリスマスソングを集めた
アルバム。

オーティスもあれば、
クラレンス・カーターもある。

白っちーチャラついた
お行儀のいい
クリスマスソングなんざ、
ありゃしない。

そりゃー
そりゃー
ディープで
くすぐったーい
クリスマスソングが
ぎっしり。



当時勤めていた
代官山にあった広告代理店で、
仕事なんざそっちのけ。
田舎者なので、
東京にいられるってことに
浮ついてた
22歳のわたくし。

仕事といえば、
そりゃーそりゃーヘヴィーで、
毎日終電で、
銭湯にだって
いけなしない。

パワハラ当然の
イヤな野郎もいたけど、
ま、
仕事に身が入ってない
こんなぼくが悪いわけで。

そんな中、
ほんのわずかな月給の中から、
食事代を削って、
おかずなんかありゃしない
しろ飯オンリーの弁当作って
お茶漬けの昼飯でしのいで
余ったお金で
芽瑠璃堂に行って
レコードをあさる。

その瞬間が、
ほんと
しあわせだったんだよなぁ。

そんな自分に
酔ってたし、
我慢だってできたし、
なんたって、
若かりし頃に
２５００円も払って買った、
大切なのレコード。


還暦を迎えた今だって
この時期になりゃ
このレコードに
針を落とす。

でもって、
当時住んでた
あの
風呂なし、
駅から歩いて20分の
ボロアパートのことを
懐かしく思い出す、
そんなレコードってわけ。

ただし、
聴くのは
この時期限定。

夏には
絶対に
聴くことのない
レコードなのであーる・・・。